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カテゴリー別アーカイブ: ニュースと政治

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2017年の学術情報を振り返る

IMG00168-20131124-1149虚と実のはざまで,双方の淡いを見極める間もなく過ぎ去った2017年。年の瀬に絡めて,印象に残ったことを振り返ってみたいと思います。

「内容なき実学」こそ虚学

よく学術の(というより,学術を扱うジャーナリズムの)世界では「実学」「虚学」という分類がなされます。曰く商学・マーケティング・工学・医学などの「すぐ役に立つ」分野は実学であり,当面役に立たない分野は無用の学(虚学)だと。しかし,「すぐ役に立つ」ものは,得てして適用範囲や耐用時間が短く,すぐ役に立たなくなる傾向もあります。また言葉尻を捕らえるようですが,有用か無用かという区別ならそのまま呼べばよく,当該分野の「存在としての虚実」とは無縁です。目先の有用性を超えた学術の普遍性・汎用性を踏まえるならば,むしろ「内容なき実学」こそ虚学,と実感するところがあります。

他方これは,あくまで学問の側から対象に接近する場合の実感にすぎません。学問とは場を隔てた諸々の分野に目を向けるならば,「人は見た目が100%」など「内容より外形」という傾向はますます強まったと言わざるを得ません。

資源を活かし,社会実装?

社学連携をめぐる語彙にも目を開かされた一年でした。少し検索をかけるだけでも,詳細な政策研究の成果が見つかりますが,資源を掘り起こして身にまとい,どこに立ち向かう(踏み込む)のか?平場の感覚からは,何ともいかめしい趣です。これとて,有用性という社会設計的思想が背後に見て取れます。既に予備的な検討を行った先駆的な記事もあり,来年以後,これらの語をつぶさに深く考えていきたいと考えています。

知のオープン化は更に加速

オープンサイエンス・オープンイノベーションという語が,昨年にも増して飛び交った一年でした。これに関しては筑波大学でのシンポジウム(11月21日),および情報知識学会がNIIで催した情報知識学フォーラム(12月2日)などで体系的な議論が提供されました。本ブログでも一度考えてみたことがあります。その背景・目的・意義は,来年以降も継続し考えることを避け得ないテーマでしょう。

更なる思考のヒントに,文献紹介

中庭光彦(2017)「創発から社会課題を解決 事業構想で促す地域政策」『人間会議』2017年冬号,78-83ページ→全文記事リンク

日比野愛子(2017)「地域資源を興す ローカル・イノベーション」『人間会議』2017年冬号,136-141ページ→全文記事リンク

 

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日白修好150周年記念シンポジウム(東京)

2016年,日本はベルギーと修好通商航海条約を締結して150年を迎えます。これを記念して,在日本大使館・日本のベルギー研究者団体らの後援・共催による国際シンポジウムが開催されます。

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Nikkei Asian Review を読んで

英語力の維持と称して,学生時代は読めもしないのに片っ端から英字紙を読んでいました。ヘラルド朝日から始まって The Japan Times Weekly, Newsweek, Scientific American(日本語版は日経サイエンス), The Economistと来て,最近はGlobe Asahiとこの日経に落ち着いています。 (さらに…)

【記事紹介】ハフィントンポストはハイコスト・メディアを救うか?

アトコレ』で示唆深い記事が投稿されていたので,ご紹介を。

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「学術書出版」は必要とされているか

この冬は学術情報流通に関するシンポジウムに集中して出席しました(1月30日2月8日2月26日2月28日3月13日)。細かい議事は公開を控えますが,さすが都心はこうした催しに事欠かないと感心します。ここではそれと別に,幾つか気にかかったことを記します。ここで重要なのは単に「必要か」ではなく「(誰かに)必要とされているか」という問いの形です。 (さらに…)

図書館ディレクターは何を考えているか?: Ithaka S+R の調査研究報告

北米の非営利法人イサカの調査研究部門 Ithaka S+R が図書館の役割について報告書を公表しました。2000年以降,大学職員を対象として継続的に実施されている本報告は,2010年よりディレクター級の職員に焦点を絞って,より経営的観点からの分析を行っています。

ネット時代のスポーツジャーナリズム

ロシア・ソチでの冬季オリンピックが盛況裡に幕を閉じました。「アスリートは競技結果がすべて」――これは厳しい現実である一方,目標に向けて取り組むアスリートの成長と進化の過程に心動かされます。人間性の表現という意味ではスポーツもアート(特に舞台芸術)と接点をもち,そこで話されること・聞かれることは様々な示唆を含んでいると思い,ここで考えてみます。

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