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【記事紹介】ハフィントンポストはハイコスト・メディアを救うか?

アトコレ』で示唆深い記事が投稿されていたので,ご紹介を。

『アトコレ』は,「アート,デザイン,カルチャーについての情報をお届けする」新鋭のポータルサイト(ホームページより引用)。昨年の3月1日,そこでハフィントン・ポスト(通称: ハフポスト)の躍進が取り上げられていた(連載1)。マスメディア業界の「黒船」さながらに話題をさらい,2013年5月7日には朝日新聞との提携で日本版がリリースされている(※註――朝日新聞は過去2001年にも米Herald Tribune紙との提携で『ヘラルド朝日』をリリースしたことがある。2011年2月末をもって廃刊)。そのビジネスモデルのエッセンスは,大衆的なキラーコンテンツをもつことで読者の限定される専門的コンテンツの採算をカバーする発想である。

学術出版(雑誌および書籍)がここで言うハイコスト・メディアと位置づけられ,その抱える問題が俯瞰されている(連載2)。シリアルズ・クライシスなど,学術誌と図書館財政をめぐる事情も踏まえられており,大枠において的を射た評価ではある。

実際,『アトコレ』自身もハフポストを意識した情報配信戦略をとっているように思われる。インターネット上で時事的なニュース解説を一歩掘り下げて配信しつつ,絵画を中心とした美術系の情報配信に取り組んでいる。沿革は詳しく分からないが,後者が彼らの得意とする専門的コンテンツだと推察される。

アトコレは,「オンラインによってコストを下げつつ,万人受けするコンテンツで金を稼ぎ,ハイコストなコンテンツづくりに資金を回せる可能性」を評価しているようだ(連載3)。ただし,

1.電子的配信によってコストが下がる根拠は,どこにあるのか?

最初から電子的なコンテンツとして組み立てることが所与の前提とされており,既存の出版者らがそれにキャッチアップすべく払うコストは考慮されていない。なお,バックナンバーのアーカイブ整備や冊子体からの移行,更にXML等の新しいフォーマットへの対応に要するコストの高さは,業界におけるいくつかの試みからも明らかである。

2.「ベストセラーで採算を賄い,収益性の低い専門書販売に力を充てる」手法は少なからずどの版元でも踏襲されてきた型である。ハフポストの戦略は一体どの点が旧来のメディア産業を「救う」活路になると考えているのか?

日本版の開設からもうすぐ1年。ここではその着眼を称えつつも,速報にとどめつつ,引き続き動向を注視したい。

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